2012年1月25日水曜日

参加有志編集者コメント(2)/山内菜緒子


震災後、漫画を携えて東北沿岸部に幾度か足を運んでいます。

4月7日。
原発20km圏内の方々が生活する、いわき市の避難所に
漫画を届けました。
段ボール箱を空けた瞬間、顔を真っ赤に上気させた子供達は
「これ、本当にもらってもいいの?」と、
その場から離れる間も惜しんで無心に読み始めたのでした。

その日、私は何度も子供達に
「漫画を読んでくれてありがとう」と呟いていました。
以降、子供達に渡すための漫画を書店で選ぶ時間が
私にとっての非常に大切な時です。


3月11日という日があってもなくても
「面白い漫画」というものの価値は変わりません。
でも、あの日から今日まで
漫画を通じて「ありがとう」を感じる機会が増えました。
「漫画があって良かったな」と以前より強烈に思う瞬間が
何度もありました。


参加された漫画家の皆さん。
連載の合間を縫って読切を執筆することがいかに大変か、
皆さんの思いに敬意を。
また入校作業を一手に引き受けた部の後輩・前田をはじめ、
関わったスタッフの皆さんにも感謝を。

そして読んでくださった皆様。
「僕らの漫画」の収益金は、震災遺児・孤児への育英基金に
募金します。漫画を皆様に読んでいただくことで、出来る支援。
どうもありがとうございます。

たくさんの「ありがとう」を漫画を通じて伝えられて
心から嬉しいです。


山内菜緒子

小学館 「週刊ビッグコミックスピリッツ」
「月刊!スピリッツ」の漫画編集者です。